貨幣がないときは物々交換
幼稚園で耳をすましているとこんな会話が聞こえてきます。
「私のこのお人形あげるから、そのお人形ちょうだい」
「えー、ダメよ。これはわたしのお気に入りなんだから」
「じゃあ、このお人形もあげるからそれと交換して」
「うーん。仕方ないなぁ。それならいいよ」
ほんの4~5歳の女の子の会話ですが、これは古くから行われてきた立派な経済取引の方法です。本人たちは認識していないかもしれませんが、人類が最初に行ったとされている経済取引です。
これを一般に「物々交換」と呼びます。物々交換とは辞書によると、「お金を媒介せずに、物と物を直接交換すること」です。現在は貨幣が流通しているため、物々交換は少なくなっています。
しかし、現在でも一部の地域では普通に行われています。あるアフリカの村などでは、隣の村の人と牛や羊を交換しています。
物々交換という経済取引は、取引する双方にとってとても満足のいくものとなります。お互いが欲しいものを手に入れることができるからです。
しかし、交渉がいつもそううまくいくとは限りません。前述した幼稚園児の場合もそうです。その条件を自分の人形を差し出すほど価値があると認識しない限り、この物々交換は成り立ちません。
これが世界の経済取引の流れが、物々交換から貨幣での取引に変わった理由の1つだったりします。貨幣はその価値が信用で保たれているので、万人が不公平なく共通の認識ができます。